iPhone 15以降、アメリカ版は何が違う?購入前に知るべき5つの落とし穴

はじめに:中古はアメリカ版の方が安いかも?
iPhone 15、15 Pro、15 Pro Maxの中古を買うなら「アメリカ版を買った方が安いかも?」と気になる方も多いのではないでしょうか。実際、アメリカ版のiPhoneはシャッター音が鳴らない、価格が安いなど魅力的な点があります。
しかしその一方で、「eSIM専用でSIMカードが使えない」「技適マークがなく日本では違法の可能性」「修理できない」といった注意点も存在します。
本記事では、iPhone 15以降に限定して、アメリカ版と日本版の違いを徹底比較します。失敗しないための選び方がわかるようになります。
シャッター音が鳴らないのはアメリカ版だけ
日本版iPhoneでは、カメラのシャッター音が強制的に鳴ります。これは盗撮防止を目的とした日本独自の仕様です。
一方、アメリカ版のiPhone 15以降は無音撮影が可能。写真撮影時に音を気にせず静かな場所でも使えるのは大きなメリットです。
eSIM専用モデルに注意(物理SIM非対応)
iPhone 15シリーズ以降、アメリカ版は完全にeSIM専用になりました。物理的なSIMトレイが存在しません。
eSIMのメリット:
- プロファイルを即時発行・変更可能
- デュアルeSIMが可能で使い分けも簡単
デメリット:
- 日本の一部格安SIMが非対応(特に物理SIM前提の旧プラン)
- eSIM対応プロファイルの発行に時間がかかる場合も
日本のeSIM対応主要キャリア(2025年時点)
- docomo
- au
- SoftBank
- 楽天モバイル
- mineo(オプション)
- IIJmio(一部対応)
格安SIMユーザーは要確認!
技適マークがない=日本で使うと電波法違反の可能性
アメリカ版iPhoneには、日本の「技適マーク」がありません。これは、日本の電波法で定められた認証制度で、技適がない端末を国内で使うことは原則として違法です。
例外
- 一時帰国などの旅行者(180日以内)であれば条件付きでOK
- ただし日本在住者が常用すると、電波法違反になる可能性大
👉 安心して使いたいなら日本版一択です。
対応周波数はほぼ同じ。だが差もある
iPhone 15シリーズ以降では、基本的にアメリカ版も日本国内キャリアの主要周波数帯に対応しています。
主な周波数帯対応(docomo系例):
周波数帯 | 日本版 | アメリカ版 |
---|---|---|
Band 1 | ○ | ○ |
Band 3 | ○ | ○ |
Band 8 | ○ | ○ |
Band 18/26 | ○ | ○ |
Band 28 | ○ | ○ |
Band 41 | ○ | △(弱い) |
Band n77/n78 (5G) | ○ | ○ |
一部周波数(特に5Gの一部バンド)で、通信速度や安定性に影響することもあります。特に山間部・地方では違いを感じるかもしれません。
保証と修理サポート:AppleCare+の落とし穴(新品を買う場合)
iPhoneの保証サービス「AppleCare+」は、アメリカで購入しても日本で加入・修理は原則可能です。ただし注意点があります。
AppleCare+ は国際保証
- どこで買ってもApple正規店であれば修理対象
- ただし、在庫や部品の違いで修理不可になる例も
保証外修理は?
- 米国版のモデル番号によって、日本の修理価格が異なる可能性あり
- 一部パーツ(eSIMなど)は日本で調達不可→修理拒否例も
アメリカ版は本当に安いのか?価格差と隠れコスト(新品を買う場合)
iPhone 15 Pro Max(256GB)の例:
販売国 | 本体価格(税抜) | 消費税/州税 | 合計 |
---|---|---|---|
アメリカ(NY州) | 約1,199ドル | 約107ドル | 約1,306ドル(≒20万円) |
日本 | 189,800円(税込) | 0円 | 189,800円 |
さらに、以下のコストが加算されます:
- 国際送料(転送サービス):約3,000〜8,000円
- 関税・消費税:最大15%前後
- eSIM切替手数料:1,100円(キャリアによる)
👉 トータルで見ると、「思ったより安くない」どころか割高になるケースも。
結論:あなたにとってベストなのはどっち?
比較項目 | アメリカ版 | 日本版 |
---|---|---|
シャッター音 | 無音 | 強制ON |
SIM仕様 | eSIMのみ | nanoSIM + eSIM |
技適マーク | ×(違法リスク) | ○ |
通信周波数 | ほぼ対応 | 完全対応 |
保証・修理 | 条件付きで可能 | 安心して可能 |
価格 | 表面上安い | 実はほぼ同じか安い |
まとめ:こんな人にはアメリカ版/日本版がおすすめ
アメリカ版を検討しても良い人
- eSIM対応キャリアを使っている
- 海外に長期滞在している/予定がある
- 技適問題を理解しつつ自己責任で使える
日本版をおすすめしたい人
- 日本で安心して使いたい
- SIMカードや格安SIMを利用中
- 保証や修理を重視している
最終アドバイス
「ちょっと安いから」「無音だから」という理由でアメリカ版を選ぶのは、リスクも伴います。安さに惹かれすぎず、使用環境やサポート体制を含めて総合的に判断しましょう。